今回の検証対象
初“台湾”旅行者必見!超定番スポットを巡る2泊3日台湾旅行プランはこれだ |
RETRIP[リトリップ]
https://rtrp.jp/articles/100372/
まずは旅程を整理してみましょう。
・1日目
12:00:桃園機場着
15:00:→十分
17:00:→九份
20:30:→士林夜市
・2日目
出発地点:台北市内
10:30:→虹彩眷村
13:00:→台中肉員(台中火車站後站付近)
15:00:→美好年代(忠孝復興站付近)
18:00:→台北101
・3日目
出発地点:台北市内
09:00:→中正紀念堂・國立故宮博物院
13:30:→小上海(中山國中站or台北小巨蛋站付近)
台北近郊の旅行に慣れている人はこの時点でいくつか疑問符や感嘆符が浮かんでくるかもしれませんが、一つずつ見ていきましょう
12:00:桃園機場着
まず、この時間に(どうせLCC利用だと思うので)第一ターミナルの到着ロビーにいるという前提で話を進めます。
記事中では荷物を台北のホテルに預けることを推奨しているので、まず桃園捷運で台北に向かうことにします。
なお、空港内の施設に立ち寄っている余裕はこの出発時間だとほぼありません。
桃園捷運 乘車指南 票價與時刻表查詢
https://www.tymetro.com.tw/tymetro-new/tw/_pages/travel-guide/timetable-search.php
また、記事内では全く触れられていませんが、公共交通での乗降の手間を考えると桃園捷運で交通乗車ICカード(悠遊卡or一卡通)を購入しておくことを強く推奨します。
1000元程度加値(チャージ)しておけば安心でしょう。余ったら物販で消費すれば問題ありません。
直達車の所要時間はA12機場第一航廈→A01台北車站は約36分。
発車タイミング等諸々を考えると12:50~13:00辺りの到着になるでしょうか。
ただ、本当に捷運北門站及び台北車站徒歩5分以内の立地の宿泊施設でないと時間的にかなり厳しいので、大抵の場合は儲物櫃(コインロッカー)に放り込むことになるでしょう。
桃園捷運台北站から台鐵台北車站方面に繋がる連絡通路にある儲物櫃は比較的空いていたはずなので、預けられないという事態には陥りにくいはずです。
但し、100元紙幣及び硬貨を確保できていることが前提ですが…
推定時間13:00~13:30:台北車站→十分
早速ですが、台湾の公共交通慣れと土地勘が要求されるスケジュールとなっております。
ここから十分はいくつかルートがあります。
まず、計程車(タクシー)で台北車站から十分まで直行した場合はおおよそ1時間程度で到着できるのですが…
日中の台北が渋滞していない訳がないがないので、以下Googleマップの結果のように1時間強~1時間半はかかると思われます。
※Googleマップは未来時間を指定すると、平均的な渋滞度合いを考慮して所要時間を算出する機能があります
↑クリックで拡大
スムーズに事が運べば何とか15:00には間に合いますかね…(ホテルに荷物預けは凱撒大飯店や天成大飯店でも厳しそう)
運賃は渋滞も考慮すると1000~1200元くらいかと思われます。
台灣計程車車資計算2019版(Taiwan taxi fare)|計算Pro
http://taxi.0123456789.tw/
なお、公共交通だと15:00十分到着はこの出発時間だとおそらく無理かと思われます。
台北車站→(板南線)→忠孝復興站→(文湖線)→木柵站で30~40分
ただ、忠孝復興站の板南線から文湖線への乗り継ぎは駅構内での上下移動が激しいので、Googleマップが提示している時間で乗り継ごうとするとかなりの体力勝負になります。
次に木柵站からは台灣好行795木柵平溪線のバスで十分まで向かいます。假日(土曜・日曜・休日)の日中であれば20~30分間隔で運行されています。
所要時間は木柵站から十分までは合計で50~70分程度なので、台北車站から十分まで合計で80~110分程度、このスケジュールが30分~1時間程度前倒しでないと後続の旅程が崩壊することになります。
795木柵平溪線
路線概要:https://www.taiwantrip.com.tw/line/45
路線図:http://www.tpebus.com.tw/image/lineimage.php?imagetest=5163.1
時刻表:[PDF] http://www.tpebus.com.tw/image/5163.1.pdf
運行状況
木柵→十分:https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400079500
十分→木柵:https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400079570
15:00:十分
時間を考えると天燈(ランタン)の打ち上げだけが限界でしょう。
ついでに取り上げられている十分瀑布はこのスケジュールでは、入口の十分遊客中心まで計程車を使って数分で遊客中心まで行ったとしても、遊客中心から景観台に辿り着くまで急いでも片道15分はかかるので無理です。さらに階段移動も多いので体力的にもキツいです。
推定時刻15:30:十分→九份
いきなりですが今回の旅程の一番の山場です
まず、地図を見てもらえばわかると思いますが、ルート上の大半が山間道路で最短でも20km強の道のりがあります。
↓は土曜日15:30出発の平均的な所要時間と渋滞状況
↑クリックで拡大
瑞芳車站付近の渋滞度合いがこの程度で済むのかちょっと疑問ですが、十分→九份の所要時間は1時間は見ておいた方が良いでしょう。
計程車運賃は750~800元程度でしょうか(メーター運賃になるのか、下記運賃表にある十分→瑞芳火車站+瑞芳火車站→九份の固定運賃の合算になるのかは不明ですが)
計程車-新北市政府
https://www.ntpc.gov.tw/ch/home.jsp?id=27e4de65382c19e1
また、假日(土曜・日曜・休日)だと、九份や金瓜石を通る瑞金公路こと臺北市道102線は九份手前の九號停車場から先へは、居住者車両以外だと公車(市バス)とあらかじめ許可が下りた観光バスしか進入できません(管制時間8:00-20:00)。
金九地區假日台陽勸濟堂停車場申請作業流程-新北市政府警察局瑞芳分局
https://www.ruifang.police.ntpc.gov.tw/cp-1068-11051-25.html
以上から、假日に十分から九份老街まで計程車を使うメリットは早着の観点からは低く、タイミングよく平溪線の瑞芳方面への列車が来たらこれに乗った方が良いでしょう。
2020/7/15時点での時刻表だと15:40十分→16:08瑞芳なので、瑞芳車站から公車への乗り継ぎで10~15分、瑞芳車站→九份老街の所要時間がおよそ20~30分なので、十分の滞在時間を詰めれば17:00前には辿り着けるでしょう。
交通部臺灣鐵路管理局_首頁>時刻表下載
https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip00C/tipC19/view10
17:00:九份
おそらく日没後の昇平戲院辺りの風景を眺めることを想定しているのでこの時間なのでしょう。
なお、日が長い5~7月だと日没は18:30以降となります。
每日天文現象 | 交通部中央氣象局
https://www.cwb.gov.tw/V8/C/K/astronomy_day.html
推定時刻19:00:九份→士林夜市
さあ、地獄の九份脱出のお時間です。
台北市内へ直通の1062線や965線は超行列&待ち時間が酷いことになるので、バス車内立ち状態で山道に揺さぶられること覚悟で瑞芳車站止まりの公車で脱出しましょう。
瑞芳火車站からは台鐵で南港車站で捷運板南線に乗り換え、台北車站で板南線から淡水信義線に乗り換えて劍潭站で下車(士林夜市は士林站からだと若干距離がある)。
台北車站内での台鐵→捷運の乗り換えは迷いやすいので、南港で捷運乗り換え→台北で捷運站内乗り替えの方が賢明でしょう(乗り継ぎルートが頭に入っていれば台北車站で台鐵→捷運の乗り換えの方が早いですが)
20:30:士林夜市
翌日に支障が出ない程度に楽しんでください…
2日目:想定出発地点台北市内
いきなり台中へ行くと言い出しましたよ…?
このスケジュールだと8:30~8:50に台北站を出発することになるでしょう。
当然、高鐵利用です。
台灣高鐵 時刻表與票價查詢
https://www.thsrc.com.tw/ArticleContent/a3b630bb-1066-4352-a1ef-58c7b4e8ef7c
高鐵台中站(台中市中心部からはかなり離れている)は幸いにも虹彩眷村に近いので、計程車を利用すれば10分もあれば十分でしょう。
一応公車もありますが、高鐵台中站のバス発着場ではなく、停留所名が台鐵側の新烏日車站となっています(発着位置がかなり解り難い)。
56路-統聯客運
https://www.ubus.com.tw/UrbanBus/TaichungBus/129
74路-ibus | 台灣愛巴士
http://www.ibus.com.tw/city-bus/txg/tl/rout-tl-74/
10:30:虹彩眷村
記事内では”春”村になってるのですが、"眷"村ですよ… (眷属の「眷」)
滞在時間は20~30分もあれば十分かと思います。
当時の台湾の風俗や建物、中共内戦時代の様子や眷村そのものに興味がないと、写真を撮ってちょっとしたお土産を見て終わりになりがちだと思います。
資料館的な施設や展示もあるにはあるのですが、こっち方面の分野に興味がないと楽しむのは厳しいと思います。
(筆者は観光化された眷村巡りもやっているのでアート面以外でもそれなりに楽しめました)
眷村 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/眷村
推定時刻11:00:虹彩眷村→高鐵台中站→台中車站
高鐵台中站に戻って、高鐵の駅と繋がっている台鐵新烏日站から台中車站まで移動することになります。
區間車(各駅電車)しか停車しない駅のため、下手すると20~30分近く待つ羽目になりますが時間的余裕はそれなりにあるでしょう。
ちなみに虹彩眷村→台中車站を計程車で移動すると最短経路が約9.5km、運賃280~300元程度です。
なお、虹彩眷村周辺は計程車の出待ちが多く、有名観光地の例によって素行の良くない運転手が混じっているリスクが高いので注意が必要です。
またRETRIP内の記事に、運転手の口車に乗せられて虹彩眷村から高美濕地まで連れていかれたっぽい記述の記事があることも記しておきます。
(虹彩眷村→高美濕地の最短経路、高速公路経由で約26km、運賃およそ720元)
実際に旅した筆者が教える!台湾の魅力たっぷりの贅沢3泊4日プランはこれだ |
RETRIP[リトリップ]
https://rtrp.jp/articles/92776/?page=4
13:00:→台中肉員(台中火車站後站付近)
後続のスケジュールを考えると、1時間程度前倒しにする必要があります。
推定時刻13:00:台中車站→台北車站or板橋站→捷運忠孝復興站
スケジュール上では台鐵の台中車站から高鐵台中站への移動時間が抜けているような気がします…
台北到着後の捷運による移動時間も考慮されているか怪しいところ。
繰り返しますが、台中肉員の訪問時間を前倒ししないとまず次のスケジュールに間に合いません。(…が、訪問地を考えると遅らせても特に問題はなさそう)
台中車站→高鐵台中站→台北車站→捷運忠孝復興站は乗り継ぎがスムーズに行っても2時間切れるかどうかといったところだと思います。
なお、ダンジョン化している台北車站内での乗り継ぎを考えると、高鐵は板橋站で板南線に乗り継いだ方が早くなる可能性が高そうです。
15:00:美好年代
22:00まで営業しているようなので、前述のとおり無理してスケジュール通りの15:00に来る必要はなさそうです…
18:00:台北101
2日目は何故かここがラストになっています…
近くの臨江街觀光夜市とか、市政府站と直結している誠品書店とか近所に他にも見どころは色々とあると思うのですが…
臨江街觀光夜市 | 臺北旅遊網
https://www.travel.taipei/zh-tw/attraction/details/1562
誠品信義店的服務資訊 - 迷誠品
https://meet.eslite.com/tw/tc/store/20180220003
3日目:想定出発地点台北市内
ミスると最悪帰国便に乗り遅れる可能性があるので、気を抜いてはいけません。
09:00:中正紀念堂・國立故宮博物院
訪問順序の指定はないのですが、まずは以下の地図をご覧ください。
中正記念堂と故宮博物院は公共交通を利用すると45~60分程度かかります。
上のgoogleマップでは35分とか表示されることがありますが、朝時間帯は士林站周辺の渋滞に巻き込まれるので40分を切るのはまず無理でしょう。
計程車だと渋滞込みで30分程度でしょうか。
故宮博物院はそもそも台北市街地から結構離れており、山間と呼んでいいような立地です。
さらに日本の3連休基準の場合は、最終日になるであろう月曜日は休館日なので注意が必要です。
また、故宮博物院はまともに見ようとなると、ツアー客が押し寄せてくる前の開館開始時間の8:30に特攻することが基本となるので9:00到着では遅すぎます。
以上から中正記念堂と故宮博物院の両方を訪問する場合は故宮博物院→中正記念堂の順序が良いでしょう。
なお、このスケジュールだと故宮博物院の滞在時間はせいぜい2時間が限度かと思われます。
13:30:小上海(中山國中站or台北小巨蛋站付近)
小籠包なのに珍しく鼎泰豐 信義店ではありません。
以下余談
個人的には故宮博物院の訪問を諦めて、お買い物タイムに充てた方が安全だと思います。
九份もそうですが台北市街地から離れており、公共交通の利便性もあまりよくないため往復移動にかかる時間が台湾滞在時間に対して多すぎます。
また、帰国便の出発時間の想定が何時なのかは気になるところです。
チェックイン手続きや保安検査等を考えると桃園機場到着は出発2時間前が必須だと筆者は考えるので、出発3時間前には台北車站を出発できるように考えておいた方が安全だと思います。
検証した感想
不可能ではないが絶対にやりたくないスケジュール
多少時間を調整する必要はありますが、不可能ではないスケジュールです。
…が、この記事タイトルには「初“台湾”旅行者必見!」という見出しが入っています。
台湾の公共交通にそれなりに慣れている当方でもこのスケジュール実行するにはかなりの調査時間を要しました。
そんなタイトなスケジュールを初めて台湾に来る旅行者が実行できるかはかなり怪しいでしょう(アジア各国の海外旅行に相当慣れている人であれば初見でも可能かもしれませんが、そんな人はそもそもこの手の記事を参考にしないかと…)
そもそもこのスケジュールだと移動のため貴重な台湾の滞在時間を多く消費してしまっています。それぞれのスポットでろくに観光できるかすら怪しい部分も多いです。
また、他の台湾記事との差別化のためなのかどうかは解かりませんが、移動時間もケチらないといけない程余裕がない2泊3日の旅程で長距離の地域間移動を組み込むのは良いとは言えません。
実際にこの2日目は台北-台中の移動だけでも往復2時間半はかかっているわけで…
今後旅行スケジュールに言及する記事を書こうとしているライターの方へ
地図を見て距離と位置関係をしっかりと確認してください。
おすすめのスポットを可能な限り紹介したいのは解かりますが、プランを組んで紹介する以上は記事を見た人が実行できる旅程であることが必要だと思います。
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