2018年10月15日月曜日

九份からの脱出方法

九份から台北への帰りのバスの待ち行列はもはや九份の一風景ともいえる現象となっていますが、可能であれば避けたいものです。
この記事では超混雑の土休日夕方の九份から脱出する手段を考察します。

なお、計程車(タクシー)を使う、瑞芳車站まで公車を利用する等の一般的な方法は、下記記事か普通に検索すれば色々引っかかるかと思われるのでそちらをご覧ください。

瑞芳地区(九份・金瓜石)・平溪地区(十分・平溪)の交通事情
https://tw.cytn.info/p/ruifang-area-access.html

※註:当記事は理論上可能だが労力に見合わない手段が含まれますのでご注意願います

1.徒歩で瑞芳火車站

九份から一番近い台鐵の駅は瑞芳車站です。
地図上では猴硐車站の方が近いように見えなくもないですが、直線的に向かえる道路がないので所要時間から見ても瑞芳車站の方が近いと言えます。
で、肝心の瑞芳車站までの道のりなのですが…

道のり約5km、所要時間60~70分、高低差約230mと下り道ではありますが徒歩だと中々厳しいルートとなっており、おそらくバス運賃15元をケチる価値はないと思われます。

この手段を取るくらいなら、あと30分九份の風景を眺めた後、満員に近いのバスで瑞芳火車站に向かった方がまだマシでしょう。

2.金瓜石まで行って折り返す

九份で一気に乗って来るなら始発から座っていけばいいじゃないという考え方です。
実際のところ混雑が酷い土休日でも、金瓜石であれば1本見送れば台北市内へ直通の1061路でも並んで着席は可能です。

この方法を取ることによる追加出費は金瓜石までの運賃15元です。

この後に同一のICカードで3桁の系統路線に乗り継ぐのであれば8元の乗継割引がかかって7元で済みます。
なお、金瓜石に加値(リチャージ)が可能なコンビニやバス営業所は存在しないので、残高が100元を下回っている場合は九份の7-11か全家で加値しておきましょう。

この方法を旅程に組み込むならば九份で途中下車してから金瓜石に向かう順序にすると良いでしょう。

ただし、黄金博物館園區の開放時間は17:30(土休日18:00)となっているので夕暮れの九份を拝むことはできなくなります。
夕方以降は基隆廟口夜市などへ向かう旅程の場合は一考の価値はあると思います。

票價與開放時間 | 新北市立黃金博物館
http://www.gep.ntpc.gov.tw/xmdoc/cont?xsmsid=0G246368552167800609

3.隔頂まで徒歩で移動して折り返す

九份老街から金瓜石方面へ1つ進んだバス停留所です。これも考え方は2と同じです。
ちなみにこの停留所は基隆山の登山道の入口でもあります。

道のり約400m、徒歩5~10分、高低差は30m程度ではありますが、狭い山道をバス車両が行き交う危険な道となっているのでご注意を。(ストリートビューは空いている時間帯に撮影したのか危険度が解り難いですが…)

なお、日没後は街灯がロクにないので足場が悪く、それなのに交通量は減らない関係で徒歩だとかなり危ない道になるので激しくオススメしません

4.水湳洞から海岸線沿いの基隆方面の路線に乗り継ぐ

運行本数が少ない路線への乗り継ぎが発生するので上級者向けですが、北北基好玩卡(Taipei Fun Pass)を最大限使い倒すことができます。
運行時間や到達時刻、所要時間などをよく考える必要があります。

まず、2の方法などで金瓜石(黄金博物館)まで行きます。788路の一部の便や826路や856路など水湳洞まで行くものもありますが運行本数がかなり少ない上に昼間しか運行されていません。

次に金瓜石から水湳洞まで前述の便や891路などに乗り継ぎます。891路は黄金博物館から黄金瀑布や水湳洞を周って戻ってくる循環路線です。
なお、金瓜石の停留所付近は路線バスや観光バスでごった返しているので乗り逃しに注意して下さい。
乗り継ぐバスは行き先で判別するよりは、下記の運行情報ページや台灣等公車(BusTracker Taiwan)のアプリなどに表示されている車両番号ことナンバープレート(例:123-A4)で判別した方が判りやすいです。

下車停留所は「水湳洞」になります。站牌(バス停看板)が多くあるので案内をよく見た上で、前述のアプリで停車位置の確認をしっかりとしましょう。
水湳洞を観光したい場合は「茹川橋」、891路では「濂洞里遊客中心」で下車すると良いでしょう。

なお、金瓜石から水湳洞まで徒歩だと距離約2.3km、徒歩30~40分、高低差約260mとこちらも下りとは言えややしんどい道のりになります。

788往 基隆→水湳洞
https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400078800

788往 水湳洞→基隆
https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400078890

856(台灣好行~黃金福隆線) 瑞芳火車站 - 馬崗(三貂角燈塔)
https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400085600

826 - 去程(猴硐遊客中心-水湳洞)
https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400082600

891 - 去程(黄金博物館-黄金博物館)
https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400089100

ここからさらに水湳洞から海岸沿いを通る台2線に出て基隆方面へ向かう路線に乗り継ぎます。
こちらも本数が少ないので乗り逃さないように注意して下さい。
万が一乗り逃してバスがなくなった場合は金瓜石まで戻るか、計程車で八斗子や基隆市街まで出てしまいましょう。

なお、1811及び1812系統は北北基好玩卡では乗車できません。十分に残額がある悠遊卡や一卡通を用意しましょう。

791 - 回程(國家新城-福隆)
https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400079100&gb=1

1811 羅東→臺北
https://www.taiwanbus.tw/eBUSPage/Query/QueryResult.aspx?rno=18110

【1811】臺北-羅東(國1-台2) - 國光客運 KUO-KUANG eBus
http://www.kingbus.com.tw/ticketPriceResult.php?sid=116

【1811】羅東-臺北(台2-國1) - 國光客運 KUO-KUANG eBus
http://www.kingbus.com.tw/ticketPriceResult.php?sid=117

1812 臺北→南方澳
https://www.taiwanbus.tw/eBUSPage/Query/QueryResult.aspx?rno=18120

【1812】臺北-南方澳(國1-台2) - 國光客運 KUO-KUANG eBus
http://www.kingbus.com.tw/ticketPriceResult.php?sid=118

【1812】南方澳-臺北(台2-國1) - 國光客運 KUO-KUANG eBus
http://www.kingbus.com.tw/ticketPriceResult.php?sid=119

5.徒歩で海岸線まで出る

一見非現実的なルートに見えますが、徒歩移動距離は1の瑞芳火車站より短く、所要時間的には同じくらいです。ただし山間部の市道なのと、そこそこ交通量は多いので注意は必要です。
海岸線最寄りの停留所「舊漁會站(海濱)」まで道のり約4.1km、所要時間70~80分、高低差約300m程度。

経路は九份派出所辺りから海岸方面へ向かう北35線(九濱公路)をひたすら下ります。
このルートの場合、運行本数がそれなりにある1051路が利用できます。

1051 瑞芳→國家新城
https://www.taiwanbus.tw/eBUSPage/Query/QueryResult.aspx?rno=10510

路線查詢-中興大業巴士暨關係企業(中興、光華、指南、淡水、新北、基隆)
http://www.csgroup-bus.com.tw/WebMaster/?section=40

なお、Googleマップ上では九份派出所から少し進んだところから左側に山道をショートカットできそうな道路が見えますが、航空写真を見ると道が存在するかも怪しい上に少なくとも公道ではないっぽいので無難に九濱公路沿いに進んだ方が良いと思われます(普通にルート検索を行うとショートカットルートの方が表示されるので、上記の地図は経由地点を指定している)。

6.北北基好玩卡を極限まで使い倒す

北北基好玩卡(Taipei Fun Pass)については4でも軽く触れていますが、965公車や跳蛙公車が新設されたことにより公車のみで瑞芳や金瓜石に辿り着く難易度が下がったので、それらを用いたルートを紹介しておきます。

ただし、どのルートも少なくないリスクやデメリットを抱えているので実行する際には注意が必要です。

北北基好玩卡
https://funpass.travel.taipei/

6-1.965公車 直達ルート

板橋から西門を経由して瑞芳火車站・九份・金瓜石まで乗り換えなしで到達できる夢のようなバス路線です。夢のような路線なので当然凄まじく混みます
さらに高速公路が経路に含まれる関係で着席必須なため、一便辺りの定員が少ないのもネックになってきます。

一応座席の予約はできるようなのですが、1便辺り予約枠は10席までとのことなので、平日はともかく土休日は激しい争奪戦になることは目に見えています。

下記のブログ記事によると府中站の時点で座席が半分以上埋まっている写真があるので、次の板橋公車站でほぼ満席になるものと考えられます。平日でも板橋より後で乗れるとは思わない方が良いと思われるので、この路線を使うつもりであれば起点の府中まで行きましょう。

2019/8/3追記:路線の知名度がかなり上がってきているようなので、土休日だと府中でも1本見送る必要が出てくるかもしれません…

金瓜石・九份発の情報はありませんが、従来からある台北直通の1062路線と同じような状態になっているものと思われます。

965 臺北客運 捷運府中站(府中路) – 金瓜石 

※一応予約はできるが予約枠は1便辺り10席限定の模様、サイトの言語は繁體中文のみ

https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400096500

可訂路線 | 跳蛙公車
https://leapfroggingbus.tw/
※予約サイト

965快速公車 | 板橋/萬華/西門町往返九份/金瓜石最方便交通方式!!單程票價90元!!! - Rika.栗卡食光
http://rika.tw/taipei_bus_965/
※965公車に乗車した体験記のブログ記事(繁体中文)

6-2.跳蛙公車 瑞芳 – 松山 ルート

松山車站から瑞芳火車站を結ぶ台鐵バイパス路線、つまり瑞芳區から台北市内への通勤用路線です。こちらも965公車と同じく高速公路を通るため座席定員制です。予約の制度もあります。

臺北客運の南港経由路線は平日に1便しか設定されていないため、まず選択肢から外れます。
基隆客運の方は土休日でも運行はありますが(春節などの大型連休中は運休)、平日の方は松山発が7:20、8:00、8:40と通勤時間合わせの回送でかなり早くダイヤ的に使いにくいです。

跳蛙公車(基隆客運) 瑞芳 – 松山車站  

https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0463002400

跳蛙公車(臺北客運) 瑞芳 – 南港 – 松山車站 

https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0463002300

6-3.846公車 平溪・十分経由ルート

846公車はバス路線で唯一、瑞芳と平溪・十分を結ぶ路線です。平溪・十分からは795台灣好行木柵平溪線で捷運木柵に戻って来れます。
従来からある普通に実用性が高いルートですが、運行本数は多くないので所要時間と接続タイミングをしっかりと頭に叩き込んでから利用しましょう。

北北基好玩卡は適用されませんが、台鐵の平溪線を併用するとバス本数の少なさを補えます。北北基好玩卡を使い倒せていないので負けた気になりますが…

846 基隆客運 瑞芳火車站 – 十分寮 – 平溪

https://ebus.gov.taipei/EBus/VsSimpleMap?routeid=0400084600

795台灣好行木柵平溪線 木柵 – 十分遊客中心

※木柵発は平溪老街止まりの便があるので注意
https://www.taiwantrip.com.tw/line/45

今回紹介した以外にもこんな狂ったルートがあるぞという方は是非コメント欄にお寄せください。

関連リンク

大臺北公車
https://ebus.gov.taipei/ebus

公路客運乘車資訊查詢系統
https://www.taiwanbus.tw/ByLine.aspx?Lang=

関連記事

瑞芳地区(九份・金瓜石)・平溪地区(十分・平溪)の交通事情
https://tw.cytn.info/p/ruifang-area-access.html

台湾:市區公車(市内バス)
https://tw.cytn.info/p/taiwan-city-bus.html

台湾:國道客運・公路客運(高速バス・都市間バス)
https://tw.cytn.info/p/taiwan-intercity-bus


2022/7/5:リンク切れ及び変更されたURLを更新、全体的に修正
2019/10/15:隔頂からの乗車に関する注意書き追加、その他の細かい更新

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